データ活用事例3【spp】

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第3回 卸売営業のデータ活用例

1-2 問題点の構造的要因は何か

まず、本論に入る前に「構造的要因」の意味について確認しておきましょう。

「構造的」ということを一口でいえば、世の中の「しくみ」または「システム」的にそうなっていることをいいます。 では販売上の「構造的」とは何でしょう。 「しくみ」の部分は「企業が競争している市場の動き」、「システム」は「当社の営業活動のシステム」と考えたら分かりやすいのではないでしょうか。

そこでこの視点から、「構造的要因」とはどんなものか、「売れない理由」としてよくあげられる項目の例で考えてみます。

まず、次の項目は構造的要因でしょうか?

  • 市場の動向に関する要因
      新テクノロジの発表による買い控え
      新製品発表による買い控え
  • 商品そのものに関する要因
      他社新商品の登場による当社現行商品の陳腐化
      他社競合商品に機能や価格で負けている

これらはいずれも市場の動きそのものに起因するもので、構造的要因ということができます。

では、次の項目はどうでしょうか?

  • 顧客側の販売方法に関する要因
    店員の商品知識が弱く来店者に勧め切れていない
    展示場所・展示のしかたが来店者に分かりにくい

これらは構造的要因とはいえません。
なぜなら、「なぜこうなっているのか」というもっと根本的な原因が背後にあると考えられるからです。
同様に次のような項目も、本当の原因は当社の営業システムそのものにあるのかもしれません。

  • 当社側の営業方法に関する要因
    商品のセールスポイントが整理されていない。したがって顧客にもうまく伝わっていない
    商品が新製品に切替わったのにそのオペレーションがうまくできていない

以上のことから、問題点として列挙された項目は、対策を考える前に構造的な要因のレベルまで掘り下げておく必要があります。
これを「構造的な整理」といい、次の手順で進めていきます。

まずそれぞれの項目について、それが引き起こされた原因を考えます。
そしてさらにその原因の原因を…。このようにして、その問題が発生したメカニズムを追い、大元の要因を見つけます。

次に各項目全体の関連を見て、似通った要因を持つものをまとめていくと、いくつかの構造的要因が浮かび上がってきます。
そしてそれらの要因は、当社の「営業活動のシステム」に対する改善点を示唆してくれるでしょう。

さて、佐藤君が抽出した共栄電気への販売上の問題点、つまり苦戦している商品は結構な数に上りました。

木村マネージャは、これらの問題の要因を抽出していく過程で、「重点化」と「比較」にポイントを置きました。

重点化という点では、たとえば右図は全社の商品別売上のグラフですが、もし全社でよく売れているものが共栄電気の「問題商品」にあがっているとしたら、それを優先的に調べていこうということです。

そして比較ということは、共栄電気の問題商品は、他の営業部署または他の卸先では売れているのかどうかを調べることです。

次の図は、問題商品の、ほかの卸先への売上年計グラフですが、これを見ると売上を伸ばしているところが結構ありました

そこで木村マネージャは、これらの卸先への売上が伸びている理由を、それぞれの担当者にヒアリングしてから佐藤君との打ち合わせに臨みました。

打ち合わせでは、佐藤君の考える不振の理由を聞きながら、問題点を次のように整理していきました。

  • 対症療法的な対応で済むもの → その改善を指示
  • 背景にある問題を議論すべきもの → 構造的要因を追跡する
  • 佐藤君の持つ情報が不足しているもの → 共栄電気からの情報収集を指示

そして他の顧客で伸びている理由も参考にしながら、共栄電気の問題点を構造的に整理していったのです。


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